鬼多村旅行記すすきの編



それは札幌を訪れたときのこと。
市街をウロウロしているうちに夜も更けてきたため、その日の野宿場所を探していました。

「そこのオニィサン、キャバクラはいかがっすか〜」
「3000円ポッキリですよ〜」

激しい勧誘を振り払いながら、酔っ払いだらけの雑踏を歩く。
そう、ここはすすきの、北日本最大の歓楽街。








こんなところで野宿できるわけねーだろ!(;´Д`)








落ち着け、落ち着くんだ俺様。
この勧誘が気になって仕方がない状況をなんとかするんだ。
はぁはぁ・・・



必死でない知恵を絞るバカ三人。



コンビニで夜を明かすか? いや、それは体力的にキツイ。
地下鉄で脱出するか? もう終電いっちまったよ。
カラオケボックスとかは? それだ!




議論の末に達した結論がこれです。
オツムの程度が知れますか。ああそうですか。




フリータイム1700円(翌朝七時まで)。あんまり安くないけど仕方がない。
案内されたボックスに入り、荷物を降ろす。運良く端の部屋。思いのほか静か。
はぁ、ようやく眠れる。やれやれだ。

と、みんなでホッとした矢先。となりのボックスに入ってきた大学生らしき集団。
すでにハイドランカーな気配濃厚。









ま ・ さ ・ か・・・。









まもなく流れる大音量のBump of Chicken(;´Д`)
そのうえ踊っているのか凄まじい振動ビリビリ。


ああ、神様。この数日は屋外で寝ているんです。睡眠不足なんです。
今日は珍しく屋内で眠れる日なんです。だから・・・お・ね・が・い、なんとかしてっ(はぁと








ルララルラ ルララルラ Oh YEAH〜!(♪)








ガッデム!ね、ねむれそうにねぇ・・・。
爆音のなか、顔を見合わせた俺たちは、ある結論に達する。

やつらが帰るまで歌っちまおう!
手遅れです。脳みそが腐っています。蟹味噌が入っているかもしれないレベルです。






















ときは午前五時。となりの大学生、まだ歌ってる。(;´Д`)
こちらは全員ぐったり。もうだめぽ。俺たちの負け。このへんでようやく意識を失う。





ふと気が付くと妙に静か。時計をみると、なるほど午前九時。





えっ、九時?(゚Д゚)?











電流走る。










フリータイム終わってんじゃん!延長料金とられちまう!(((;゚Д゚)))ガクガクブルブル
あわてて飛び起きて、カウンターへむかう。
店員さんが察してくれたのか、延長料金を見逃してくれた。ラッキー。
ああ神様仏様。





あんなところで疲れが取れるはずもなく。そのままふらふらと地下街に入り、ベンチ付近に倒れこんでグースカ。
しばらくして警備員にたたき起こされる。



「きみたち、ここはみんなの場所なんだから、横にならないでね。



「あぁ、はい、すんません。すぐどきますんで。



「横の人は友達?ちゃんと起こしといてね。



「うぃ〜っす。



警備員が去ったのを確認して、再びグースカ。
ファッキュー!こちとら眠いんだよ!





殺気を感じて目を覚ますと、さっきの警備員が俺のまえで仁王立ち。





「・・・・・・・・・・・・。





「(((;゚Д゚)))





無言のまま、全身をもって「失せろ!」のジェスチャーを示して下さいました。(;´Д`)

生命の危険を感じて、さすがに退散。そのままJRで札幌を去りましたとさ。
札幌市民のみなさん、ご迷惑をおかけしました。

次回は宗谷本線で稚内を目指します。
(2003/09/02 鬼多村)


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